「録音したら、なんかサーって音が入ってる…」
「声以外の変な音が録れてしまった…」
歌ってみた録音で、こんな経験はありませんか?
ノイズが入った音源は、Mixしても完璧には消せないことが多いです。だからこそ、録音段階でノイズを減らすことが大切。
この記事では、歌ってみた録音で入りやすいノイズの種類と、自宅でできる対策を原因別に解説します。

P!xL(ピクセル)
P!xL(ピクセル)
- Mixxx(当サービス)運営者
- 歌ってみた制作株式会社PXstudio代表取締役
- 一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会監事
- ミキシングエンジニア歴:10年以上
- 過去Mix件数:2,000件以上
- 歌い手経験あり:3年程度
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歌ってみた録音で入りやすいノイズの種類
まず、「自分の録音に入っているノイズは何なのか?」を特定しましょう。原因がわかれば、対策も見えてきます。
環境音(エアコン・外の音)
最も多いのが、録音環境から発生するノイズです。
- エアコンの「ゴー」という音
- 外の車や電車の音
- 隣の部屋の生活音
- 窓の外の風の音
これらの音は、意識しないと気づきにくいですが、マイクはしっかり拾っています。
機器ノイズ(PCファン・電源)
録音機器から発生するノイズもあります。
- PCのファンが回る「ブーン」という音
- 電源から発生する「ジー」という電源ノイズ
- ケーブルの接触不良による「ブツブツ」音
特にPCファンは、録音に集中していると気づかないことが多いです。
部屋鳴り(反響音)
部屋の壁や床で音が反射して戻ってくる現象が「部屋鳴り」です。
- 声が「お風呂場で歌っている」ような響きになる
- 残響が長く残る
- プロっぽくない「素人感」が出やすい
防音されていない一般的な部屋では、多かれ少なかれ部屋鳴りが発生します。
マイク関連(ポップノイズ・リップノイズ)
マイクの使い方に起因するノイズもあります。
| ノイズの種類 | 原因 | 音の特徴 |
|---|---|---|
| ポップノイズ | 「パ行」「バ行」の息 | 「ボフッ」という低音 |
| リップノイズ | 口の中の唾液 | 「ペチャ」「クチャ」という音 |
| タッチノイズ | マイクやスタンドに触れる | 「ゴトッ」という振動音 |
これらは、録音中の自分の動作が原因なので、対策がしやすいノイズです。
環境音を減らす対策【エアコン・外部騒音】
環境音は、録音中の環境を整えることで大幅に減らせます。
録音中はエアコンをオフにする
最も効果的な対策は、録音中だけエアコンを止めることです。
「それだと暑い(寒い)」という場合は、以下のサイクルがおすすめです。
1. エアコンで部屋を適温にする
2. エアコンを止めて録音開始
3. 1〜2曲分録ったら休憩、エアコンON
4. 部屋が適温になったら再開
完璧を目指すと疲れるので、「この1テイクだけ集中」という意識で取り組むのがコツです。
静かな時間帯を選ぶ
外部騒音は自分でコントロールできませんが、時間帯を選ぶことで回避できます。
- 深夜〜早朝:車や人通りが少ない
- 平日の昼間:工事や学校の音がない(地域による)
- 雨の日:外出する人が少なく、意外と静か
自分の住環境で「いつが一番静かか」を把握しておくと、録音がスムーズになります。
機器ノイズを減らす対策【PCファン・電源】
機器ノイズは、配置や接続を工夫することで軽減できます。
PCをマイクから離す
PCのファン音がマイクに入る場合、最もシンプルな対策はPCを遠ざけることです。
- マイクとPCの間に1m以上の距離を取る
- マイクの「背面」(音を拾わない方向)にPCを配置
- 可能ならPCを別室に置き、長いケーブルで接続
ノートPCの場合は、冷却パッドを使って静音化する方法もあります。
ノイズフィルター付き電源タップを使う
「ジー」という電源ノイズがある場合は、ノイズフィルター付きの電源タップが効果的です。
2,000〜3,000円程度で購入でき、オーディオインターフェースやPCを接続するだけで使えます。
- 他の家電と同じコンセントを使っていないか
- 延長コードが古くなっていないか
- ケーブルが傷んでいないか
電源環境を整えるだけで、ノイズが劇的に減ることもあります。
部屋鳴りを減らす対策【反響音】
部屋鳴りは、音の反射を減らすことで軽減できます。高価な防音工事は不要で、身近なもので対策可能です。
毛布やカーテンで簡易吸音
最も手軽な対策は、布製品を活用することです。
- 壁に毛布や厚手のタオルを掛ける
- 窓には厚手のカーテンを閉める
- 床にはカーペットやラグを敷く
- マイクの「後ろ側」の壁を重点的にカバー
- 部屋の角は音がたまりやすいので優先
- クローゼットの中で録音するのも効果的
完璧な吸音は難しくても、「何もしない」よりは確実に良くなります。
部屋の改善について詳しくはこちら
本格的に部屋の音響環境を改善したい場合は、吸音材の設置やレイアウト変更が効果的です。
詳しい方法は 宅録の部屋の改善ガイド で解説しています。
マイク関連のノイズ対策【ポップ・リップノイズ】
マイクの使い方に起因するノイズは、録音時の工夫で解消できます。
ポップガードを使う
「パ」「バ」などの破裂音で発生するポップノイズには、ポップガードが効果的です。
- 息がマイクに直接当たるのを防ぐ
- 湿気からマイクを保護する
- 1,000円〜2,000円程度で購入可能
マイクから5〜10cm離した位置にポップガードを設置し、その奥にマイクを配置します。
ポップガードがない場合は、マイクを少し斜めに向けるだけでも効果があります。
水分補給でリップノイズを軽減
リップノイズ(口の中のペチャペチャ音)は、口の中の乾燥や唾液が原因です。
- 録音前に水を飲んで口の中を潤す
- りんごを食べると唾液のベタつきが減る(業界では有名な方法)
- リップクリームを塗って唇の乾燥を防ぐ
- 炭酸飲料(ゲップの原因)
- 乳製品(痰が絡みやすくなる)
- 甘いジュース(口の中がベタつく)
録音前の飲み物は「常温の水」か「りんご」がベストです。
まとめ
歌ってみた録音のノイズは、原因を特定して対策することで大幅に減らせます。
- 環境音(エアコン等):録音中はオフ、静かな時間帯を選ぶ
- 機器ノイズ:PCを離す、電源環境を整える
- 部屋鳴り:毛布やカーテンで簡易吸音
- マイク関連:ポップガード、水分補給
「完璧な防音環境」がなくても大丈夫です。今日からできる対策を一つずつ試してみてください。
ノイズを減らした状態で録音できれば、Mixでの仕上がりも格段に良くなります。
録音の基本については、歌ってみた録音ガイドも参考にしてください。